寝過ごしてしまった。
しこうして、ごろごろして過ごしてしまった。
昨日は早く寝ようと思っていたのだけど、結局遅めになってしまったので。
土曜に離職票が届いたので、本日月曜、諸々の手続きに来ている。
時間も微妙なので半分くらいは明日に回すけども。
で。
役所で作品展の展示品を見ていた。
顧みれば、過去のぼくは芸術作品から技巧を読み飛ばして「絵面」や「響き」や「勢い」や「基礎技術の完成度」のみを見ていたわけだけど、各ジャンルについての素養を得るに当たり、「巧い」ことを評価の一端に加えるようになったらしい。
これは「漢字を覚えて本の内容を読めるようになった」程度の話で、今まで装丁やフォントしか見ていなかったのが、ストーリを理解できるようになった、というようなことである。
もっとわかりやすく言えば、「この種の酒は香りとまろみを重んじる」「この種の酒はかすかな甘さの差を過剰に尊ぶ」といった、ローカルルールを知ることで、ものの良し悪しの基準を共有する、みたいなやつだ。
酒と同様、これには「一度高いのを、これは高いぞと教えられて飲む」か、「信頼できる人がうまいうまいと言ってるのを隣で聞きながら舐めてみる」か、「その他(自由回答)」かの三通りの学びかたがある。
小中高で習う美術の授業って、せっかく原色で古今東西の美術作品を載せた教科書があっても、基本的には美術教師の好きな範囲しかやんないので、「あらゆるジャンルの基礎教養」が得られないんだよな。
そんなもの不要だと言えばそうなんだけど、そうなると、地球上に人類は不要派が同時多発テロを起こしかねないので、滅多なことは言うものではない。
少なくとも、今回使った基礎知識は、ぼくの人生をいくぶん豊かにしてくれたので、有用であったように思うなあ。
ものの価値を知らない、というのは、仏像が破壊された例や、鉄道模型を処分して夫が廃人になった例、作家を自殺や断筆に追い込んだ例を持ち出さなくても、あらゆる他人に対する害悪なのだし。