第2回目のOne dot contestの件。
One dot contest第二回、遊んで参りました!!!!
何これレベルたけー! 超面白い! あくまで僕の評価だけどな!
様々なシバリの中、テーマを選んで作る、1ルート20分以内のノベルゲームのコンテスト。
分量の制約、形式の制約、テーマの制約、そしてテーマ発表から1週間という時間の制約。
多くの制約の中で濃密になった人のイメージが形になる、みたいな感じのコンテストっす。たぶん。

また適当な感想書くよー。読む人はあんまり真に受けないほうがいいよー。
ねたばれはある程度、白文字反転にしてます。
未プレイの方は白文字部分を飛ばしてくださーいね。
なお、文章量の差は僕の好みの差ではなく、筆が滑ったかどうかの問題でしかないので、内容から適当に判断してください。
慣れれば大体解ります。別に慣れなくてもいいけど。



以下、長いので折りたたみ。

やろーと思ったきっかけが中の人のツイートだったので、まず最初にやったのが『72』。
僕が小倉ハムスターさんとこのゲームのファンだというのを差っ引いても(そもそも今回シナリオも黒世さんじゃなくてチョコラさんだって話ですし)、相当面白かったです。
そして、「絵が可愛いのはいつものことですが」、で終わってしまえない程に絵が可愛い。困った感じの笑顔が夢に出ました。なんかもう最近とみに絵のキュート度を増してらっしゃる気がします。
ノベルゲをやる時は頭の回線を絞って、なるべくシナリオの先読みはしないようにしてるんですけど、オチが読めても面白い物は面白いのです。可愛いおばあちゃんは可愛いのです。でも言われて気付いたけど、確かにこれ規約違ry

で、ちょうどそれが終わった頃に新着で来てたので、その後そのまま『たとえばこんな七不思議』をプレイしました。前にこの辺でも適当なこと書かせて頂いたインコさんちのゲームですが、nanaにfs7って意味があるのかどうかは知りません。
インコゲーに共通するのは、カオス展開にも一本通った筋があり、下ネタにも上品さがある点。これはたぶんご本人様の気質によるものだと思います。カオス展開を標榜する人には、その「筋」や「枠」といったものを毛嫌いする人も多いけど、無意識に物語に整合性をつけるってのは最低限の面白さを保証するものであって、全く悪いことじゃないと思う。
今回のnanaはほぼ全編が同性愛ネタ、というかネタ同性愛で展開してくんだけど、短いシナリオの中で綺麗に七不思議同士が連関していて、記憶の中で行ったり来たりの動きをすることでショートシナリオながら2倍、3倍のボリュームを作りだす。結構センスに任せて書かれている部分も多いけれど、この雰囲気は好きだな。
『72』にしても、入れ子構造に近い形で並ぶ伏線を綺麗に回収していくことで、読者の脳内に選択肢無きループストーリーを作りだし、それが「同じ容姿のキャラクターを登場させる」という今回のワンコのシバリと絡み合って、渦を巻くような読後観を生んでるのです。
ショートストーリーの中ではこういう組み方が生きてくるから、読んでいてとても楽しい。
世の中には短編より長編の方が難しいと思っている人が多いけど、本気で面白い物を作るのであれば短編の方が難しいに決まっているし、そうして作られた短編は本当に面白いのです。

これ以降は、エントリーナンバー順に遊んでいったわけですけども、感想文は適当にごたまぜていきます。

せっかくシバリがあるコンテストですから、やはりそのシバリを活かしたつくりになっているゲームが多い、という印象が強いです。そこに素直に応じるか、あえて捻じ曲げた解釈や利用を図るかは、それぞれですけど。
「姿形が全く同じ人物を必ず登場させること」に変化球で応じているのは七色さんとこの『彼らの苦悩』も然りですね。てっきり地球を絡めてくるのかと思ってたけど、そんなことはなかったぜ!
ていうか●の上に?が表示される辺り、シュールすぎて笑いが止まらなかったです。あと首をかしげる×が可愛い! 萌え死ぬ! 今回のワンコで最萌は誰かと問われたら、静かのどちんか×さんですね!!!(てきとう)
何か無理矢理良い話でまとまってくる辺りに、タイムアタック製作の魔物を見ました。こういう人間味の溢れるシナリオ展開も私は大好物です。

で、上述のシバリを非常に素直に扱ったのが、下僕天国さんとこの『double パニック』ですね。
やったー! ま、ま、まぜまぜのべるでの参戦だー!! うおーローディングがかっけー!!
と、そんなことより内容の話です。たぶん僕の評価にはまぜまぜのべる加点が入ってると思うので、適当に差っ引いてください。(・・・)
オープニングのスローな流れから、一気に加速する物語展開はまず素敵。
ある日、主人公の下に家政ロボとして、主人公が好きな相手の顔形を模したロボットが現れる、という展開は珍しくもないのですが、主人公が女の子という設定で、こうも活きてくるものか。
テーマの活かし方やシナリオの整合性という点ではかなり評価高いっす。軸がしっかりしているからブレない。仕掛け的な爆発力はないけど、元気の良い主人公と少し気取った相手役が、会話の勢いでそれを補う。バランスの取れた構成です。
いや普通に綺麗にまとまってて面白かった。

素直といえば白桃花さんとこの『RoseRose~バラ薔薇~』も素直なシナリオですね。展開に於いて居ると便利なキャラクターを適切に配置し、適切に演じさせる劇場的シナリオ! ケリーの役処は、薔薇展開を匂わせて読者の思考を惑わせるものですよね、たぶん。人物もシナリオも、ケリーを除けば一点に収束するように描かれているのだけど、その見えている底流が何処へ帰結するのかというわくわく感がある。ほら、他人の日記とかで見た映画やアニメの感想に、物語上重要なワンシーンについて触れられてるとさ、ネタバレどうこう以上に「そのポイントが実際どのように生きているのか、どのように描かれているのか、その脇では登場人物のどのような感情が渦巻いているのか」に注視できて、より深く楽しめるってことあるじゃない、あんな感じ。時間があれば更に練りこまれた物になったと思うのだけど、それもまたタイムアタック製作の色合いというものですね!
エンディングはバッドエンドとデッドエンドの二択(だと思う。え、ケリーが大活躍する裏技とか無いよね?)ですが、二択でグッドとバッドに分かれるタイプのゲームより、こういう感じの方が好きです。でも、欲を言うならもっとケリー分が欲しかったです。

板村唯さんの『ハイノネウタ~Song with Gray Sounds.』は、ヒントテキストにあるようにいくつかのシバリを逆手に取った造りになっています。良いですね。シバリやテーマが複数あれば、それを融合させたところから発想するというのはSFを含むミステリの定石でもありますし、全体に統一した意図があるのも素敵。一つの事柄に疑問を抱けば、読み手は、そこから他の部分にも次々と疑問や考察の範囲を広げていく。目立つところにその取っ掛かりを配置し、なおかつその一つ目の謎の答えに辿りつく手がかりを明示的に与えることで、読み手が疑問を放棄することをも抑制する。
ただこれは書籍の形を前提に書かれたお話で、ノベルゲームという形式にはあまり向いていないように思います。ページに指を挟んで何度も読み返す「本」の形式のための物語。電子書籍ではいかに立派な栞機能を付けても再現できないあの感覚。
別にBGMや分岐をつけろって言うのじゃないのですよ、僕、無音ゲーも一本道ノベルも好きですし! せっかくのノベルゲなので、ノベルゲに向いたシナリオにすれば良いのになぁというか、この人、狙えばそういうの普通に書けるだろうにと勿体無く思った、という感じでしょうか。

そこへ行くと雲上回廊さんとこの『いつかきっとうまくいく』はとにかく構成の妙が素敵でした。
ゲームオーバー時にシナリオの一番最初へ自動的に戻されるんですが、これが“一切そういった表記を持たせない”、つまりゲームオーバーだの何だのという表示をせずに、「気を失った」ところから「教室で目を覚ました」所へ戻ることで、それが一本の筋になる、ループ動画と同じ、繋ぎによる無限。
ループシナリオで主人公に毎回「新鮮な発見」を与えるために、この記憶喪失は、ショートシナリオだからこその設計!
僕がこのコンテストをハイレベルだと感じたのは、ショートシナリオが前提のコンテストで、きちんとショートシナリオ向けの技法を使っている人が多いって点もあるのです。
誤字脱字や数クリック内での矛盾、時折mp3ファイル不在強制終了が起こるバグ(たぶんvista+Nスクでよくある奴? datフォルダを作って同名の音楽ファイルを入れておくと問題なく動く気がする)などは脇に置いときましょう! 永続ループからの脱却はループシナリオの最大のカタルシス、「ループの管理者側によるループの脱却」という題材には、範囲の限られた“有限の無限”を真の無限に変えるという感動がありますね! そこんとこも面白かったっす!

というか、誤字脱字はしゃーないのです。テーマ発表からゲーム提出までがたった1週間しかないってことで、まぁコンテスト的に時間無いのがデフォなのです。
でも、のっぺりやさんとこの『空の流刑地』のSTAETやOPTUIPNはたぶん誤字じゃないですよね。RをE、OをPと一つずつ外側にずらすことで、宇宙の広がり、心の発達、繋がりの拡大を表した、というのは僕が今適当に考えた話ですけど、ともあれ、このシナリオの場合は「拡大の可能性」、「余白で語る」ということをショートストーリーの本懐としているような印象を受けます。ラストの最大収容数1万人に対して現在収容数が150人という表記も、やはりここに新しい人類の営み、巨大なテラリウムを生み出そうという展開を示唆してます。構造とシナリオを一体化させているのは面白いなぁ。MEMORYの部分でもそのインフィニ感を表現してくれてたら僕は大絶賛して、今日の夕御飯をちょっと豪華にしていたことと思います。テキサスバーガー3つくらい。残ってたらね!

そう考えると風花の工房さんとこの『世界救済計画』もと似たテーマを描いていると言えなくもないのですが、まぁ言えないですね! 良い意味で!
ワンコでは一本道ノベルが多いのですけど、こちらは結構多めな5つのENDを持ってらっしゃいます。「撃った!」「死んだ!」みたいな直線的なシナリオが各方向に伸びており、なおかつその内のほとんどは「計画」が実現する点に収束し、おそらくその後の展開にも大きな差異がないであろうという所が、分岐型ノベルへのアンチテーゼとしての運命論、というより人の意思の力を強く映し出している。大きく違う展開に突入するのは、偶然による不運が起こった1つのルートのみ。「そんなひどい」よりは自然に、しかし高確率で実現される意思。登場人物陣が並べて意志の強いキャラクターに設定されているのは、作者さんのそういう感性によるものだと思います。
あと同じ関連で、「姿形が全く同じ人物を必ず登場させること」という制約に従いつつ、良い感じに裏切る辺りが素敵です。双子設定の殺し方が絶妙!

月の水企画さんとこの『G戦場ノ我ラ』は良い百合ゲーで、また思うさま笑わせて頂きました。
息の合ったコンビによる息のあった会話、冗長なくらいが丁度良いレトリック! ていうか妄想の共有って相当ですね! 妄想が作中でも妄想とされている上で、なお現実対応してるってことは、リアルタイムに現状を目にしてその展開、会話、感情を考えているということになります。これはすごい。面白い。あと主人公が可愛い。ヒロインより主人公が可愛い百合ゲーは素晴らしいと思います。

笑わせて頂いたと言えば、ミニポテトさんの『ランチ・アワー』も良いゲームでした。この後味の悪さは、もう笑って誤魔化すしかないですね!
完全に虚を衝かれ、あれよあれよという間にエンディング。ここまで自分のシナリオを先読みしないように気をつけるって読み方に感謝したのも久々です。割りと途中で気付いてた方もいらっしゃるようですし、ていうか今から思えばタイトルに「ランチ」なんてあざとい単語を入れてる時点でこういう方向性も考えられたなぁ!(それは病気です)
事前情報がプラスになるゲームと、同じ物がマイナスになるゲームがあるから、このゲームに関してはまぁこんなもんで終わらせて頂き、また別のゲームの前情報をお話させて頂きます!

ということではいぺりよんさんとこの『スワンプマンに花束を』の件。
いいですね、この、展開ありきの物語! 計算されたお話は好きです。結末のためだけに存在する物語。目的のためだけに作られた物、というのは美しいものです。その精度は勿論のことながら、大概そういうものは、それ以外の要素も勝手に身に着けてゆくものですから。
作り手が最初に望んだ以上の物が生まれるってことは、つまりは単純に「人の限界を超える」ということ。物を作ろうと目論む多くの人が考え、達する前に諦めるこの思考のK点超え。
方法論の限界を超えたところに物語はあり、物語の限界を超えるには方法論が便利なんだけど、結局物語の限界を超えたところには何があるのでしょうかね。天地創造? だとしたらつまらないなぁ。
小説もまた事実の一部なれば、事実を超えた小説は存在しないものだけれど、事実を超える可能性を持つのは小説だけだと思うのです! いや、そうでもないか。

いつも通りというのもナンですが、あんまりシナリオに触れてないのはネタバレを防ぐためです。
改めて、やっぱりレベルの高いコンテストでした。いやいや。何が書きたいのか、自分が何を書いているのかもわかっていないような人が山積する文学賞より余程。シバリが多い分、間口が狭まるっていうのもあるのかもしれないです。
物語を書きなれてる(≒10年近く通して頻繁に書いてる)人とそうでない人では、やっぱり文章が段違いではある。でも、それは面白い物語が、より面白くなるかどうかの可能性の違いでしかなくてさー。
全てが情熱に根ざすとは言わないし、真摯さが愉快味を導くとは限らないし、参加者全員に未だ強固なそれらがあったとは感じないけど、非常に価値あるイベントだったと思う。
読み手としては本当にありがたい話だね。




おかしいな。
僕今すげー忙しいはずなんだけど、なんでゲームやって感想文までだらだら書いてんだろ。
うっかりしてた。
[PR]
by ruif | 2010-01-23 22:48 | ⇒放言レヴュー。 | Comments(0)
<< 1月24日、ヘモシアニン。 1月23日(土)、主人公をマジ... >>